こんにちは管理人の「カニパパ」です^^
浜名湖で味わえるカニに興味がある方にとって、ドウマンガニは特に注目すべき存在です。
その魅力は、他では味わえない濃厚な旨味と、季節ごとに変わる味わいにあります。
浜名湖でドウマンガニが獲れる時期や、どのような種類のカニが生息しているのかを知ることは、よりおいしく味わうための第一歩です。
また、ドウマンガニの価格や旬の時期、オスとメスで異なる楽しみ方なども知っておくと満足度がぐっと高まります。
この記事では、浜名湖のカニにまつわる基礎知識から、幻といわれる理由、そしておいしい食べ方や注意点までをわかりやすく紹介します。
初めての方でも安心して楽しめるよう、ドウマンガニの魅力を詳しくお届けします
◆このサイトでわかる事◆ ドウマンガニの特徴と名前の由来がわかる 浜名湖でカニが獲れる時期と種類を知ることができる ドウマンガニのオスとメスの違いが理解できる 美味しい食べ方や調理方法がわかる ドウマンガニの価格とサイズの目安がわかる 安全に解体するための道具と手順が理解できる 浜名湖のカニがなぜ「幻」と呼ばれるのかがわかる |
浜名湖で味わえるカニの魅力とは

ドウマンガニとはどんなカニか
ドウマンガニとは、正式には「トゲノコギリガザミ」と呼ばれるワタリガニの一種です。
甲羅が丸いことから浜名湖では「胴丸(どうまる)」と呼ばれ、それが訛って「ドウマン」となったといわれています。
浜名湖をはじめ、沖縄や高知などの限られた地域でしか獲れないため、非常に希少で「幻のカニ」とも呼ばれています。
その名の通り、一般的なスーパーなどではまず見かけることがなく、限られた高級料亭や専門の魚料理店でしか味わうことができません。
ドウマンガニの最大の特徴は、その強大な爪です。
大きいものになると1kgを超える個体も存在し、特にオスは太く大きな爪を持ち、見た目にも迫力があります。
この爪の力は非常に強く、貝の殻を割ったり、小魚を挟んで食べたりするほどで、漁師の間では危険なカニとしても知られています。
また、ドウマンガニは獰猛な性格のため、水揚げ直後に船の上で爪をしっかりと縛る必要があります。
この作業は素早く確実に行う必要があり、まさに漁師の腕が試される瞬間でもあります。
味わいについても特筆すべき点があります。
ドウマンガニはその身がぎっしりと詰まっており、蒸したり茹でたりするだけでも濃厚な甘味と磯の香りが感じられます。
また、秋から冬にかけてはメスが内子を持ち、その卵とカニみそを混ぜた味は格別とされています。
オスは身の量が多く、メスは内子の旨味が楽しめるため、どちらを選んでも満足度の高い食体験が得られます。
ドウマンガニはただ珍しいだけでなく、その姿、性質、味すべてにおいて特別な魅力を持ったカニであり、食通たちの間で長年愛され続けている存在です。
浜名湖でカニが獲れる時期はいつ?
浜名湖でカニが獲れる時期は、種類によって若干異なりますが、ドウマンガニに限って言えば、漁期は主に5月から12月までとされています。
この期間の中でも、夏場は大きな爪を持つオスが多く、秋から冬にかけては内子を抱えたメスが多くなるのが特徴です。
つまり、季節ごとに楽しめる味や部位が変化するため、目的に応じて時期を選ぶのが良いでしょう。
例えば、ボリュームのある身を楽しみたい場合は夏、濃厚なカニみそや内子を楽しみたい場合は秋から冬にかけてが最適です。
また、浜名湖では浅瀬に定置網を仕掛ける「小型定置網漁」という方法でドウマンガニを捕獲します。
この漁法は早朝に網を引き上げるため、日々の天候や潮の状況が大きく影響します。
そのため、同じ漁期であっても安定して水揚げされるわけではなく、特に天候が悪い日や台風の影響を受ける時期には入荷が困難になります。
さらに、他のワタリガニ類も浜名湖では生息しており、例えばササガニやタイワンガザミなども見られますが、ドウマンガニはその中でも特に希少であり、扱っている店舗も限られています。
このように、浜名湖でカニが獲れる時期にはある程度の幅がありますが、必ずしも確実に手に入るわけではない点が、このカニを「幻のカニ」と呼ばせる一因ともなっています。ですので、ドウマンガニを狙って食べに行く場合には、事前に店舗への問い合わせや予約が必須といえるでしょう。
浜名湖で獲れるカニの種類と特徴
浜名湖は、淡水と海水が混じり合う汽水湖であり、多種多様な海の生き物が生息する豊かな漁場です。
その中でも特に注目されているのが、カニ類の多さと質の高さです。
主に浜名湖で見られるカニには、ササガニやタイワンガザミ、イシガニ、そして幻のカニと称されるドウマンガニがいます。
これらはいずれもワタリガニの一種であり、泳ぐことに特化した足を持っているのが特徴です。
その中でもササガニは比較的小型で殻が薄く、天ぷらや味噌汁の具として使われることが多いカニです。
イシガニはその名の通り殻が固く、力強い爪を持っているため、見た目は荒々しいですが、実は甘みのある身を持つカニとして人気があります。
一方で、タイワンガザミは南方系のカニで、浜名湖の水温が高い時期に見られることが多く、青緑色の甲羅が特徴です。その肉質はやや柔らかく、風味は優しい味わいで、煮物や酒蒸しなどに適しています。
しかし、やはり浜名湖で一番の注目を集めているのはドウマンガニです。他のカニと比べて明らかに体格が大きく、特にオスの爪は非常に発達しています。
この大きな爪は一目で「特別なカニ」とわかるほどのインパクトがあり、見た目の迫力もさることながら、味わいも群を抜いています。
ドウマンガニの身は非常に濃厚で、噛むごとに海の旨味が広がります。
また、秋から冬にかけてのメスは内子を抱えており、その鮮やかな橙色の卵とカニみそを絡めて食べると、まさに絶品です。
このように、浜名湖には様々な種類のカニが生息しており、それぞれに違った魅力を持っています。
季節ごとの特徴や食べ方の違いを楽しみながら、浜名湖の恵みを味わってみてはいかがでしょうか。
ドウマンガニの名前の由来と伝説
ドウマンガニという名前には、浜名湖ならではの風土や歴史、そして民間伝承が色濃く反映されています。
まず、名前の由来についてですが、「ドウマン」はもともと「胴丸(どうまる)」と呼ばれていたことに起因します。
これは甲羅の形が丸く大きく、ずっしりとしている様子から、地元の漁師たちが親しみを込めてそう呼んでいたとされています。
その「胴丸」が時と共に訛って「ドウマン」と呼ばれるようになり、現在ではすっかり浜名湖の名物カニとして定着しました。
しかし、この名前にはもうひとつの伝説的な背景もあるのです。
浜名湖には「つぶて島」という小さな無人島があります。この島には古くから伝わる「ダイダラボッチ」という巨人の伝説が存在しています。
その伝説によると、ダイダラボッチが食べていた弁当の中に混じっていた石を、浜名湖に投げ捨てたことで生まれたのが「つぶて島」だと言われています。
さらに、ある満月の夜には、ドウマンガニたちがこの島に集まり、神聖な堂の周りを取り囲むという神秘的な光景が見られるとのことです。
漁師たちはこの不思議な現象を目にして「このカニは神に仕える聖なる存在ではないか」と考えるようになり、「堂満(どうまん)」という名前を与えたという説もあります。
このような伝承は、浜名湖という土地が持つ自然の豊かさだけでなく、人々の信仰や自然への敬意も表しています。
つまり、ドウマンガニは単なる食材ではなく、地域の歴史と文化を象徴する存在でもあるのです。今では高級食材として注目を集めるドウマンガニですが、こうした神話的な背景を知ることで、さらに深い興味と愛着を持って味わうことができるでしょう。
地域の伝承とともに味わう、特別な一杯として、ドウマンガニは多くの人に感動を与えています。
浜名湖のカニをより美味しく楽しむ方法
項目 | 内容 |
---|---|
ドウマンガニの別名 | 正式名称はトゲノコギリガザミ、地元では「胴丸」が訛って「ドウマン」 |
旬の時期 | 5月~12月で夏はオス、秋冬は内子を持つメスが狙い目 |
特徴的な部位 | 巨大な爪と濃厚なカニみそ、メスは内子も楽しめる |
調理法のおすすめ | シンプルに蒸す・茹でることで旨味が最大限に引き出される |
安全対策 | トゲが鋭いため保護キャップや軍手を使用して安全に調理 |
価格とサイズ | Mサイズで5,000円前後、Lサイズ以上で8,000円~1万円超えも |
解体キットの有無 | 専用ハサミ・ハンマー・軍手などが同梱されていることが多い |
入手時の注意点 | 性別やサイズの指定不可、事前の予約や問い合わせが必要 |
ドウマンガニのおすすめの食べ方
ドウマンガニは、味の濃さと身の詰まり具合に定評がある高級ガニです。そのため、複雑な調理は不要で、素材の良さを活かしたシンプルな食べ方がおすすめです。
まず代表的なのは「茹でる」「蒸す」といった加熱調理です。
どちらもカニのうま味を逃さず、身の甘みやミソのコクをしっかり味わうことができます。
特に蒸す方法は、水に溶け出す栄養成分を最小限に抑えられるので、通の間では好まれています。
調理の際は、冷凍ではなく生の状態から加熱することが理想的です。そして蒸しあがったドウマンガニは、深緑の殻が鮮やかな赤色に変化します。この色のコントラストも食欲をそそる要素のひとつです。
身はもちろんですが、ドウマンガニはカニみそが非常に濃厚で、風味が強いのも特徴です。ミソはそのまま食べるほか、ごはんにのせたり、しょうゆと合わせて酒の肴にしても絶品です。
また、甲羅焼きにしても香ばしさが増し、香りと味の両方が引き立ちます。内子のあるメスを選べた場合は、ミソと絡めて焼くと極上の味わいになります。
調理後は、同梱されているハンマーやカニバサミを使って丁寧に解体することが大切です。身の取り出しやすさや、殻の硬さへの対応も考慮して準備された道具なので、安心して使用できます。
つまり、ドウマンガニは手間をかけた高級料理ではなく、素朴な調理で味の真価を引き出すことができる、まさに素材勝負の逸品です。
オスとメスで異なる味わいの楽しみ方
ドウマンガニはオスとメスで味の傾向や楽しみ方がはっきりと分かれています。それぞれにしかない魅力があるため、時期や好みに応じて選ぶとより満足のいく食体験ができます。
オスは全体的に体格が大きく、特にハサミが発達しており、見るからに迫力があります。
その分、可食部も多く、しっかりと詰まった身が特徴です。
身の味わいも濃く、甘みの中に塩味とコクが感じられ、特に肉厚な爪の部分は人気です。
一方で、メスの魅力は何と言っても「内子」と呼ばれる卵の部分です。秋から冬にかけての時期に多くのメスが内子を抱えるようになり、この時期を狙って購入するファンも少なくありません。
内子は鮮やかな橙色をしており、しっとりとした舌触りと共に濃厚な味わいが広がります。
また、メスのカニみそはオスよりもややマイルドで、内子との相性も抜群です。甲羅の中で内子とミソを混ぜ合わせていただくと、他では味わえない贅沢な一品になります。
このように、オスは食べ応えのある身をしっかりと楽しみたい方におすすめで、メスはカニみそや内子といった濃厚な風味を味わいたい方にぴったりです。
どちらも浜名湖の自然が育んだ逸品であり、食べ比べることでその違いと奥深さが実感できます。
ただし、入荷状況によっては性別を選ぶことができないため、事前に店舗へ確認するのが賢明です。
ドウマンガニの価格とサイズの目安
ドウマンガニは漁獲量が少なく、天候や潮の影響も受けやすいため、価格はその時々で変動しやすいという特徴があります。
そのため、飲食店などでは「時価」で提供されることも多く、購入の際には価格の目安を理解しておくと安心です。
市場で販売される場合、サイズによって等級分けがされており、以下のように分類されています。
SSサイズは340g~419g、Sサイズは420g~499g、Mサイズは500g~579g、Lサイズは580g~659gです。
さらに大型になるとXLサイズ(660g~739g)、プレミアムLサイズ(740g~819g)と呼ばれ、1kg近い個体も存在します。
大きさが上がるにつれて価格も高くなりますが、その分、身の量や迫力、食べ応えは格段に上がります。
特にLサイズ以上の個体はブランドタグが付けられ、高級食材として百貨店や高級料亭などで扱われることが多いです。
価格は時期や需要にもよりますが、Mサイズ程度であれば1杯5,000円前後、Lサイズ以上になると8,000円を超えることもあります。
プレミアムサイズに至っては1万円を超える場合も珍しくありません。
ただし、これらはすべて入荷状況や品質によって変動するため、購入時にはその日の価格を事前に確認する必要があります。
また、注文時にはサイズや性別の指定ができないケースも多く、希望通りに手に入るとは限りません。
この点を理解したうえで、希少性と自然の恵みを味わう心構えが求められます。ドウマンガニは単なる食材ではなく、その瞬間の漁と自然の条件が作り出す一期一会の味であると言えるでしょう
幻といわれる理由と流通の注意点
ドウマンガニが「幻のカニ」と呼ばれる最大の理由は、その極めて限られた生息環境と不安定な漁獲量にあります。
このカニは海水と淡水が混ざり合う特殊な環境、いわゆる汽水域でしか生息できません。
日本国内でもこうした環境が整っている地域は少なく、安定して漁獲できるのは浜名湖、高知県、沖縄県に限られます。
その中でも浜名湖は日本で最も北に位置する産地であり、なおかつサイズの大きい個体が水揚げされることから、食材としての価値が非常に高いのです。
しかし、このような希少なカニは、いつでも獲れるわけではありません。
定置網漁という方式で、主に5月から12月にかけて行われる漁は、天候や潮の影響を強く受けます。
つまり、その日の天気や風の具合、潮の満ち引きによって漁獲量が大きく変動するのです。
また、ドウマンガニは非常に獰猛な性質を持ち、船上で暴れることもあります。そのため、漁獲後はすぐに爪を縛る必要があり、取り扱いにも高い技術と手間が求められます。
こうした背景から、飲食店への安定供給は難しく、多くの店舗が「時価」や「限定メニュー」として提供するしかない状況にあります。
さらに、入荷してもオスとメスの指定やサイズの細かい指定はできないことがほとんどで、販売側も消費者に対してその点を事前に説明しなければなりません。
このように、ドウマンガニは美味であると同時に非常に取り扱いが難しいカニであるため、必然的に「幻のカニ」という評価を受けるようになったのです。
浜名湖のカニはどこで食べられる?
浜名湖で獲れたドウマンガニを味わいたい場合は、地元の専門店や高級飲食店を訪れるのが確実です。
特に浜松市内や浜名湖周辺の魚料理専門店では、鮮度の高いドウマンガニを提供している店舗がいくつか存在します。
中でも知られているのが、魚魚一(とといち)という魚料理専門店です。
ここでは地元の漁師と長年の信頼関係を築いており、限られた入荷の中から品質の良い個体を厳選して提供しています。
ドウマンガニに最適な調理法や、食べやすさを考慮した解体キットまで用意されているため、初心者でも安心して楽しむことができます。
また、季節によっては地元ホテルや旅館でも、会席料理の一品として提供されることがあります。
特に秋から冬にかけてのメスが内子を持つ時期は、多くの料理人がその濃厚な味わいを求めて仕入れに力を入れます。
ただし、ドウマンガニはその希少性ゆえ、いつでも食べられるわけではありません。漁の状況や天候に大きく左右されるため、事前に店舗に問い合わせて予約を取ることが大切です。
また、インターネット通販などでも扱っている店舗がありますが、価格やサイズが安定しないことがあるため、公式サイトでの確認が必要です。
このように、浜名湖のカニを食べたい方は、地元の信頼できる専門店を訪ねるか、確実に仕入れルートを持つ店舗を見極めることが重要です。
どうまん蟹を安全に食べるための注意点
どうまん蟹は味の素晴らしさだけでなく、その扱いに注意が必要なカニでもあります。
まず、最大の特徴である大きな爪は非常に硬く、力が強いため、取り扱いを誤ると怪我の原因になります。
漁師たちはこのカニの危険性をよく理解しており、水揚げ直後にすぐ爪を縛るのが習わしです。市場や飲食店に流通する際には、さらに安全対策として、爪のトゲにプロテクターが付けられていることもあります。
購入者が自宅で調理・解体する場合にも注意が必要です。専用のハンマーやカニバサミ、軍手などが同梱されていることが多く、それらを必ず使用するようにしましょう。
特にハサミ部分は非常に頑丈で、通常の包丁では歯が立たないこともあるため、無理をせず、解体キットを活用することが大切です。
また、加熱前に仮死状態にするために氷で締めたり、針を使って動きを止めたりする工程もありますが、これらは専門店の職人が熟練の技で行っています。
個人で同じように行うのは難しく、基本的には加熱処理された状態で購入する方が安全かつ安心です。
もうひとつの注意点は、真空パック包装です。輸送時にトゲが突き破って真空が抜けてしまうことがまれにありますが、これはドウマンガニの性質上やむを得ないものです。
ただし、味や品質には問題がないことが多く、丁寧な保存と解凍で美味しくいただけます。このように、どうまん蟹を安全に楽しむためには、取り扱い方をしっかり理解し、付属の道具を活用することが重要です。
安全面に配慮したうえで、その豊かな味わいを心ゆくまで堪能してください。
魚料理専門店の厳選された仕込み工程
ドウマンガニはその希少性と繊細な味わいゆえに、取り扱いには高度な技術が求められます。
浜名湖周辺では、魚料理専門店の職人たちが熟練の技術でドウマンガニを丁寧に仕込んでおり、それが品質の高さと安全性につながっています。
仕込みの第一段階では、生きたままのドウマンガニを氷で冷やし、仮死状態にしてから取り扱いを開始します。この工程により、暴れるリスクを抑え、次の作業に進みやすくなります。
続いて、針を使って急所を突き、完全に動きを止める処理が行われます。
この作業は経験が必要で、適切に行わないと品質や安全性に影響するため、専門の職人が手早く確実に処理します。
次に、最新のスチーム蒸し器を使って、カニに極力負担をかけずにじっくりと蒸し上げます。
この工程でカニは深緑から鮮やかなオレンジ色へと変わり、見た目にも食欲をそそる状態になります。
蒸しあがったあとは、職人が手作業で細かいゴミや不要な付着物を落とします。カニはトゲが多いため、見た目では分からない小さな異物も丁寧に取り除く必要があります。
その後、安全に発送できるよう、トゲに保護キャップを装着し、急速冷凍によって新鮮な状態を閉じ込めます。
この冷凍処理によって、輸送中の鮮度劣化や味の損失を防ぐことができるのです。最後に、真空パックにして外気との接触を遮断し、丁寧に梱包されて出荷されます。
ここまでの工程を一貫して手作業で行うことで、最高品質のドウマンガニが安全に、そして美味しい状態で食卓に届けられるのです。
このように、魚料理専門店では単なる下処理ではなく、「カニを最高の状態で届ける」という信念のもとで、細部にわたる丁寧な仕込みが行われています。
カニの解体手順と便利な専用キット
ドウマンガニは身がしっかり詰まっており、カニみそや内子も豊富なため、美味しく食べるためには適切な解体が必要です。
そのため、魚料理専門店や通販では、初めての方でも安全に食べられるように専用キットが同梱されていることがあります。
まず、解体の最初の工程は、大きなハサミを包丁で外すことです。ドウマンガニのハサミは非常に硬く頑丈なため、力を入れて切る必要があります。
次に、カニのお腹にある「袴(はかま)」と呼ばれる三角形の部分を取り除きます。これは特にメスの場合、内子が付いている重要な部位となるため、慎重に外します。
その後、体の下側から甲羅をはがすようにして開けると、ミソや内子が見えてきます。ここでミソや卵を小皿などに取り分けておくと、後で食べやすくなります。
次に、食用不可なエラ(ガニとも呼ばれます)を取り除きます。これを残しておくと苦味が出ることがあるため、必ず処理してください。
そして、爪や脚などその他の部位を包丁や専用ハサミを使って外し、食べやすい大きさに分けていきます。胴体部分は縦に半分にカットし、さらに食べやすいようにもう一度縦割りにします。
この時に便利なのが、解体キットに含まれる道具です。
ハサミは関節部をスムーズに切るのに適しており、スプーン付きのピックは細かい身を取り出すのに役立ちます。
また、ハンマーはとても硬いハサミの殻を割るのに便利で、力を入れずに簡単に食べやすい状態にできます。
さらに、軍手やタオルも付属していることが多く、滑りやすい殻や尖ったトゲから手を守りながら安心して作業が可能です。このように、解体手順を正しく理解し、専用キットを活用することで、自宅でも安全にドウマンガニを堪能することができます。
見た目に圧倒されがちなドウマンガニも、手順を守ればその味わいをしっかりと引き出すことができます
地元浜名湖のカニを全国へ届ける工夫
浜名湖で水揚げされるドウマンガニは、非常に希少でありながらも、その美味しさを全国の人々に届けたいという思いから、地元の漁師や料理店、流通業者がさまざまな工夫を重ねています。
この背景には、単なる特産品の販売ではなく、浜名湖の魅力とカニの価値を一緒に届けたいという地元の強い誇りと情熱が込められています。
まず第一に行われているのが、品質を保ったまま全国に発送できるよう、冷凍・真空技術の徹底です。
水揚げ後すぐに氷で仮死状態にし、熟練の職人が迅速に処理したカニは、最新のスチーム機器で丁寧に蒸し上げられます。
この工程により、素材のうま味を閉じ込めた状態で加熱処理が完了します。
その後、表面についた不要な汚れやトゲの保護などを細かく施したうえで、急速冷凍により一気に鮮度を封じ込めます。
この冷凍処理がなされることで、全国どこへでも出荷可能となり、しかも解凍後もほとんど味の劣化がない状態で提供することが可能になります。
さらに、真空パック包装によって外気を完全に遮断し、輸送中の酸化や乾燥を防ぎます。
ただし、ドウマンガニの鋭いトゲによってパックに穴が空くリスクもあるため、輸送には細心の注意を払い、二重包装や緩衝材などの工夫が施されています。
また、安心して調理・解体できるよう、解体キットも同梱される場合があります。
専用ハンマーやカニバサミ、スプーン、軍手、タオルなどが揃っており、自宅でも安全に、美味しく食べられるようサポートされているのです。
これらすべての工夫は、浜名湖の自然とともに育まれた希少なカニを、遠方に住む方々にも安心して楽しんでもらいたいという一心から生まれています。
流通の面だけでなく、「届いた後の体験」までもが考慮された仕組みにより、ドウマンガニの魅力は全国へと広がり続けています。
幻のごちそう浜名湖のカニを味わおう
浜名湖のドウマンガニは、希少性と濃厚な味わい、そしてローカルな背景と伝説が織り交ざった、まさに「幻のごちそう」と呼ぶにふさわしい存在です。
このカニが持つ価値は、ただの美味しい食材という枠を超え、地域の誇りや文化そのものを象徴しています。
ドウマンガニは、季節によって味わいが変化するのも魅力のひとつです。
夏場には力強い身を持つオス、秋から冬にかけては濃厚な内子を蓄えたメスが多く水揚げされ、それぞれ異なる楽しみ方があります。
茹でるだけ、蒸すだけのシンプルな調理で素材の持つ旨味を存分に堪能できるため、特別な技術がなくても自宅で楽しむことができるのも大きなポイントです。
また、地元の料理店で提供されるドウマンガニは、職人の技と目利きによって厳選された最高の個体を、最適な調理方法で味わえる贅沢な一皿となります。
旅行で浜名湖を訪れる際には、ぜひ現地でその味を確かめてみてください。
一方で、自宅にいながらにしてこの味を楽しめるオンライン販売も普及しており、解体キットや調理済みの冷凍品など、初心者でも安心して調理できる商品が増えています。
このように、「幻のごちそう」はもはや特別な場でしか味わえないものではなくなってきています。
ただし、年間を通して安定的に手に入るわけではありません。
自然の条件や漁獲量に大きく左右されるため、まさに一期一会の出会いとなるのがドウマンガニの特徴でもあります。
そのため、手に入ったときには感謝の気持ちを持ちつつ、心ゆくまで味わうことが大切です。浜名湖が生んだこの奇跡のようなカニを、ぜひあなた自身の舌で確かめてください。
ドウマンガニは、美味しさと共に、浜名湖という土地の魅力や人々の想いを感じさせてくれる、真のごちそうなのです。
「浜名湖のカニ」まとめ
・ドウマンガニは正式名称をトゲノコギリガザミというワタリガニの一種である ・浜名湖では「胴丸」が訛って「ドウマン」と呼ばれるようになった ・浜名湖のほか沖縄や高知など限られた地域でしか漁獲されない ・ドウマンガニの漁期は5月から12月である ・夏はオスが多く、秋から冬は内子を持つメスが多くなる ・大きな爪と獰猛な性質が特徴で、水揚げ後すぐに爪を縛る必要がある ・身はぎっしり詰まり、蒸すか茹でるだけで濃厚な甘味を楽しめる ・メスは内子とカニみその組み合わせが絶品とされている ・浜名湖にはドウマンガニのほかにもササガニやタイワンガザミなどが生息している ・ドウマンガニの名前には「つぶて島」や「ダイダラボッチ」の伝説が関係している ・安全に食べるために解体キットや保護具が同梱されることがある ・通販では冷凍や真空パックにより全国配送が可能となっている ・価格はサイズや時期により変動し、時価で提供されることも多い ・浜名湖周辺では専門の魚料理店でドウマンガニを味わえる ・ドウマンガニは浜名湖の自然と文化が育んだ「幻のごちそう」である |
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